360度カメラ・全方位カメラ・パノラマカメラの特長と活用法、設置のポイント

360度カメラ・全方位カメラ・パノラマカメラの特長と活用法、設置のポイント

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目次
はじめに

1: 「360度カメラ・全方位カメラ・パノラマカメラとは」

1.1 360度全方位撮影機能
1.2 パノラマ撮影機能
1.3 表示モード(ビューモード)
1.4 解像度と画質
1.5 レンズと視野角の特徴
1.6 ネットワーク機能
1.7 耐環境性能
1.8 表示モード(ビューモード)

2: 「360度カメラ・全方位カメラ・パノラマカメラの特長とメリット」

2.1 全方位の一括監視
2.2 死角の最小化
2.3 多様な表示モード
2.4 柔軟な設置場所

3: 「360度カメラ・全方位カメラ・パノラマカメラの設置活用例」

3.1 交通監視と安全管理
3.2 商業ビル内の監視
3.3 公共施設・大型イベント施設の管理
3.4 駐車場の監視と管理
3.5 小売店やオフィスのセキュリティ
3.6 学校・保育園・幼稚園での安全監視
3.7 病院・クリニックでの安全監視
3.8 物流倉庫・物流センターの品質管理
3.9 ホテルや宿泊施設
3.10 食品工場・製造工場
3.11 サーバールーム

4: 「360度カメラ・全方位カメラ・パノラマカメラの注意点」

4.1 価格帯とコストパフォーマンス
4.2 映像のデータ容量
4.3 照明や影の影響
4.4 視覚の歪み
4.5 ネットワーク負荷

5: 「360度カメラ・全方位カメラ vs PTZカメラ」

5.1 撮影範囲と視野
5.2 導入コストと維持費
5.3 監視の効率と柔軟性
5.4 映像品質とデータ管理
5.5 適した利用シーン

まとめ

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はじめに

360度カメラ・全方位カメラ・パノラマカメラは、全方位を一度にカバーし、広大なエリアを効率的に監視するための革新的なツールです。魚眼レンズを搭載したこれらのカメラは、通常のカメラでは見落としがちな死角を最小限に抑え、上下左右、後方までも自在にモニタリングが可能です。カメラ1台で広範囲の撮影が可能なため、複数台のカメラを設置する必要がなく、コストカットにも貢献します。

本記事では、360度カメラ・全方位カメラとパノラマカメラの特長や活用方法、設置のポイントについて解説します。具体的な設置例として、商業施設やオフィス、駐車場、交通監視、スマートシティ、イベント会場など多岐にわたるシーンでの活躍が期待されます。

これらのカメラは、広範囲のカバー、ライブ映像や録画映像の高解像度表示、簡単な操作性、柔軟な設置場所など、多くのメリットがありますが、一方で高解像度映像のデータ容量や視覚の歪み、ネットワーク負荷などのデメリットも考慮する必要があります。

本記事を通じて、360度カメラ・全方位カメラ・パノラマカメラの導入を検討している企業の皆様の参考となれば幸いです。

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1: 360度カメラ・全方位カメラ・パノラマカメラとは

360度全方位カメラ・パノラマカメラは、全方位を余すところなく撮影する技術を持つカメラです(魚眼カメラ/フィッシュアイカメラとも呼ばれることもあります)。これらのカメラは、広大なエリアの監視を効率的に行うために設計されており、特に防犯や監視、ライブ映像配信などで活躍しています。この章では、360度全方位撮影機能やパノラマ撮影機能をはじめとする、これらのカメラの基本的な特徴と機能について詳しく解説します。

1.1 360度全方位撮影機能

360度全方位カメラの最大の特徴は、全方位を一度に撮影できることです。魚眼レンズを使用することで、カメラ1台で空間全体をカバーし、死角を最小限に抑えます。例えば、部屋の中央に設置すれば、上下左右、前後すべての動きを把握することが可能です。この全方位撮影機能は、通常のカメラでは見落としがちな細部まで捉えるため、警備や防犯において非常に有効です。

1.2 パノラマ撮影機能

パノラマカメラは、広大なエリアを一度に撮影するために、複数のレンズやセンサーを使用して、水平や垂直方向に広がる映像を生成します。パノラマ画像は、複数の画像をつなぎ合わせて作成され、広範囲を余すところなく表示します。この機能により、広い空間の全体像をひと目で把握でき、効率的な監視が可能になります。

1.3 表示モード(ビューモード)

魚眼モード

魚眼モード
特徴 全方位カメラの映像を円形に表示します(円形表示)。
魚眼レンズの特徴である球面に近い形状の映像がそのまま表示されます。
全方位の映像を一度に確認できますが、周辺部が歪んで表示されます。
利点 一目で360度の視界を確認でき、全体像を把握するのに便利です。
リアルタイムでの全体監視が可能で、広範囲の監視が必要な場所で使用されます。

パノラマモード

パノラマモード
特徴 360度の映像を水平方向に広げて表示します(横長表示)。
通常、横に長いパノラマ画像として表示されます。
水平線に沿った一部の視野を表示します。
利点 人間の視野に近い形で映像が表示されるため、見やすさが向上します。
水平方向の詳細を確認するのに適しています。

ダブルパノラマモード

ダブルパノラマモード
特徴 映像を上下に分割して2つのパノラマ画像を表示します(上下2分割表示)。
それぞれが180度の範囲をカバーします。
上下2つの映像で全方位をカバーします。
利点 360度の映像を効果的に分割し、見やすく表示します。
上下2つの視点で詳細な情報を提供します。

4分割モード

4分割モード
特徴 360度の映像を4つのセクションに分割して表示します(複数視点表示)。
各セクションは別々の視点をカバーします。
一つの画面に4つの異なる方向の映像が分割表示されます。
利点 一度に複数の方向を監視でき、死角を減らします。
複数のエリアを同時に監視するのに適しています。

1.4 解像度と画質

360度全方位カメラ・パノラマカメラは、高解像度の映像を提供することが求められます。低解像度の場合、被写体の輪郭や被写体自体がぼやけて何があるのか判別できないことがあります。高解像度の映像は、細部まで鮮明に捉えるために重要であり、防犯や監視の際に必要不可欠です。また、画素数が高いほど、映像のクオリティも向上し、遠くの被写体や小さな動きも見逃すことがありません。

1.5 レンズと視野角の特徴

360度全方位カメラには、通常、魚眼レンズが使用されます。魚眼レンズは、超広角の視野角を持ち、水平から垂直までの広範囲を一度に撮影が可能です。この特性により、360度全方位カメラは、広いエリアの監視やモニタリングに最適です。視野角の広さにより、カメラの設置場所が限られている場合でも、効果的な監視が可能です。

1.6 ネットワーク機能

360度全方位カメラの大半は、ネットワークカメラとしての機能も持っています。ネットワーク機能により、インターネットを介してリアルタイムで映像を配信したり、遠隔地から映像を確認することができます。これにより、複数のカメラを一括で管理することが可能となり、大規模な監視システムの構築にも対応できます。PoE(Power over Ethernet)技術を使用すれば、電源供給とデータ通信を一本のケーブルで行えるため、設置も容易になります。

1.7 耐環境性能

屋外で使用される360度全方位カメラ・パノラマカメラは、さまざまな環境下での使用を想定して設計されています。防水機能や防塵機能が備わっているカメラは、雨や埃からカメラを守ります。また、耐久性の高い設計により、広範囲な動作温度に対応する耐環境性能を備え、長期間にわたり安定した性能を発揮することが可能です。

これらの技術や機能により、360度全方位カメラ・パノラマカメラは多様な監視ニーズに応え、高性能かつ柔軟な監視体制の構築に役立ちます。

 

参考:法人向け監視カメラ導入メリット

参考:企業における従業員の不正対策:防犯カメラの効果的な活用法

参考:VMS(監視カメラ録画システム)の導入事例


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2: 360度カメラ・全方位カメラ・パノラマカメラの特長

360度全方位カメラ・パノラマカメラは、その特長によりさまざまなシーンでの監視や防犯に効果的なツールとなっています。この章では、これらのカメラの具体的な特長(メリット)について詳しく解説します。

2.1 全方位の一括監視

360度全方位カメラは、上下左右全ての方向を一度にカバーします。これにより、広範囲の監視が1台のカメラで可能となり、死角がほとんどなくなります。例えば、部屋の中央に設置すれば、部屋全体を見渡せます。また、一台の360度全方位カメラで、複数台の通常カメラが必要な広範囲を監視できるため、設置場所に制約が少なくなります

複数のカメラを設置する代わりに、1台の360度カメラで広範囲をカバーできるため、設置および維持コストが大幅に削減されます。例えば、広大な敷地を監視するのに4~8台のカメラが必要だった場合、360度カメラ1台で済ませることができます。

監視するカメラの数が減ることで、モニタリングやメンテナンスの負担が軽減され、管理が簡素化されます。これにより、監視スタッフの負担が軽減され、効率的な運用が可能になります。

2.2 死角の最小化

従来の監視カメラでは、一定の角度からの撮影しかできず、死角が発生することがありました。しかし、360度全方位カメラは魚眼レンズの特性を活かして、死角を最小化します。例えば、店舗内の隅々までを見渡せるため、商品が見えない死角がなくなります。また、倉庫の高い棚の間や、広いホールの角など、見逃しがちな場所も監視可能です。

死角がなくなることで、不審者の侵入や不正行為を見逃すリスクが減少します。また、広範囲を一度にカバーすることで、重要なエリアの監視が効率的に行えます。これにより、監視スタッフが映像を探したり、カメラの映像を切り替える手間が省けるため、迅速な対応が可能となります。

2.3 多様な表示モード

魚眼モード、パノラマモード、ダブルパノラマモード、4分割モードなど、用途に応じた様々な表示形式が選べます。これにより、監視者のニーズに応じた最適な表示が可能です。

必要に応じて視点を変更できるため、特定のエリアを重点的に監視するなど、柔軟な対応が可能です。例えば、特定の場所だけをピンポイントで監視することができます。

2.4 柔軟な設置場所

360度全方位カメラは、設置場所に柔軟性があります。天井や壁、柱など、さまざまな場所に直接設置することが可能です。また、防水・防塵機能を備えたカメラであれば、屋外設置にも対応でき、駐車場や店舗の出入口など、様々な環境での使用が可能です。これにより、設置場所の制約を受けずに、広域をカバーすることができます。

360度全方位カメラ・パノラマカメラは、その全方位の一括監視機能、死角の最小化、多様な表示モード、柔軟な設置場所、といった特長により、さまざまな用途での活躍が期待されます。次章では、これらのカメラを選ぶ際の注意点について詳しく解説し、導入時の参考にしていただければと思います。

 

参考:防犯カメラと録画システムの選び方:選定のポイントと検討

参考:ビジネスセキュリティの重要性:VMSとクラウド録画サービスの利点

参考:法人向け防犯カメラの落とし穴:セキュリティ対策の3つのポイントを解説

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3: 360度カメラ・全方位カメラ・パノラマカメラの設置活用例

360度全方位カメラやパノラマカメラは、その全方位監視能力や高解像度映像などの特長を活かし、多様なシーンで活躍します。ここでは、具体的な設置活用例について詳しく解説します。

3.1 交通監視と安全管理

交通監視においては、交差点や広い道路に設置することで、全方位を余すところなく監視でき、事故の発生状況や交通の流れをリアルタイムで把握できます。特に渋滞や事故が多発するエリアでは、効率的に監視するために役立ちます。録画映像を確認することで、トラブルの原因を特定し、迅速な対応に寄与します。

3.2 商業ビル内の監視

商業ビルでは、エントランス内の人の流れを漏れなく記録したい場合に活用されています。従来の固定カメラでは視野角の範囲内でのみ監視が可能で、PTZカメラに関してはレンズが向いている方向のみの監視となり、1台の設置では監視エリアが限られます。広大なエリアの撮影には、カメラの設置台数を抑えることのできる360度全方位カメラやパノラマカメラが多く採用されています。

3.3 公共施設・大型イベント施設の管理

コンサートやスポーツイベントなどの会場に設置することで、広範囲での人・物の流れや動きを監視が可能です。1台で広範囲の監視ができ、従来の固定カメラ複数台の監視範囲がカバーできることから、カメラ本体の費用や設置工事費を抑えることが可能です。

3.4 駐車場の監視と管理

駐車場では、敷地内全体をカバーし、盗難や車上荒らしの防犯に役立ちます。特に柱が多い屋内駐車場では、死角が発生しやすいため、360度全方位カメラを設置することで死角を最小限に抑えられます。防水・防塵機能を備えたモデルを選ぶことで、屋外の駐車場にも設置可能です。

3.5 小売店やオフィスのセキュリティ

小売店やオフィスでは、出入口やロビー、受付、商品陳列棚などに設置することで、全体を網羅的に監視できます。特に背の高い陳列棚の陰など、通常のカメラでは見落としがちな場所も余すところなく監視できます。万引き防止や顧客トラブルの対応に役立ちます。また、従業員の動線を把握することで、業務の効率化にも寄与します。

3.6 学校・保育園・幼稚園での安全監視

学校・保育園・幼稚園などに設置することで、安全監視が強化されます。これらの教育・保育現場では、校庭や廊下、駐車場、体育施設、別棟など、監視対象が多岐にわたり、カメラ台数も多くなります。360度全方位カメラは、リアルタイムで広範囲を確認することが可能なため、生徒の安全を確保し、不審者の侵入対策にも活用可能です。また、カメラ1台あたりのカバー率が高いため、警備員による巡回監視の効率向上も期待できます。

3.7 病院・クリニックでの安全監視

病院では、出入口、受付、待合室、廊下に設置することで、患者の安全を監視し、迅速な対応が可能です。録画映像を利用することで、トラブル発生時の原因究明にも役立ちます。例えば、受付や待合室に1台設置することで、外来者がそこからどこへ移動したかを映像から確認することも可能です。

3.8 物流倉庫・物流センターの品質管理

物流倉庫・物流センターでは、顧客から預った商品や在庫品などの資産を保管するため、品質管理を目的として360度全方位カメラが活用されています。また、商品の事故やトラブルなどの対策として、バース車両1台ごとにカメラを複数台数設置することで、倉庫の隅々まで死角のない安全体制を構築可能です。

3.9 ホテルや宿泊施設

ホテルや宿泊施設では、安全性の向上に寄与します。例えば、ロビーや廊下、駐車場などに設置することで、不審者の監視や緊急時の迅速な対応が可能となります。また、受付やレストランなど混雑状況、来訪者がどこへ移動したかなどの把握にも役立ちます。

3.10 食品工場・製造工場

食品工場や製造工場においても、360度全方位カメラは有効なツールです。生産ラインや倉庫内に設置することで、全方位の監視が可能となり、製造過程の品質管理や不良品の早期発見に役立ちます。手洗室、エアーシャワー室、加工室、など狭い場所などでは、資格を無くすために複数台のカメラが必要ですが、360度全方位カメラ1台でカバーすることも可能です。また、作業員の動線を監視することで、作業効率の向上や事故の防止に寄与します。

3.11 サーバールーム

サーバールームでは、サーバールーム内の監視を強化することで、機器の異常を早期に発見し、迅速な対応が可能となります。特に、火災や漏水などの緊急事態においては、全方位の映像をリアルタイムで確認することで、被害を最小限に抑えることができます。また、通常のカメラでは視野角が限られているため、死角をなくすには多数のカメラが必要となりますが、360度全方位カメラであれば、少数台で広範囲を監視可能となりコストダウンが可能です。

360度全方位カメラ・パノラマカメラは、その多彩な機能と特長を活かし、さまざまなシーンでの活用が期待できます。屋内・屋外、広い・狭いなどの場所を問わず、多岐にわたる用途に対応可能です。設置場所や目的に応じた適切なカメラを選ぶことで、その効果を最大限に引き出すことが可能です。

参考:防犯カメラと録画システムの選び方:選定のポイントと検討

参考:クラウド録画サービスの導入事例①

参考:クラウド録画サービスの導入事例②


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4: 360度カメラ・全方位カメラ・パノラマカメラの注意点

360度全方位カメラやパノラマカメラは多くの特長を持ち、多様なシーンでの監視や防犯に大きな効果を発揮しますが、導入にはいくつかの注意点があります。以下では、具体的な注意点について解説します。

4.1 価格帯とコストパフォーマンス

360度全方位カメラやパノラマカメラの価格は、通常のカメラよりも高額になる傾向があります。高画素数や高解像度のモデルは特にコストがかかります。しかし、全方位をカバーするために複数台のカメラを設置する必要がないため、トータルコストで見るとコストカットにつながる場合もあります。導入コストと維持費を考慮し、長期的なコストパフォーマンスを見極めることが重要です。

4.2 映像のデータ容量

360度全方位カメラやパノラマカメラの高解像度の映像は、データ容量が大きくなるため、録画保存やリアルタイムのモニタリングにおいて、データ管理が重要です。大量のデータを効率的に保存するためには、大容量のストレージが必要となります。また、クラウドサービスを利用する場合、通信コストやデータ転送の負荷も考慮する必要があります。ネットワークカメラとしての機能を最大限活用し、効率的なデータ管理を行うことが求められます。

4.3 照明や影の影響

カメラの設置場所によっては、照明(ライト)の影の影響を受けやすくなります。特に暗所や逆光の環境では、映像の品質が低下することがあります。適切な照明やカメラの位置を調整することで、これらの問題を最小限に抑えることができます。また、暗所対応のカメラや光の調整機能を備えたモデルを選ぶことも有効です。

4.4 視覚の歪み

魚眼レンズを使用する360度全方位カメラでは、映像に歪みが生じることがあります。特に円状や球状の映像では、被写体が歪んで見えることがあります。歪みを補正する補正処理を活用することで、より自然な映像を得ることができますが、完全に歪みを解消することは難しい場合もあります。用途に応じた適切な表示モードや補正処理を選択することが重要です。

4.5 ネットワーク負荷

360度全方位カメラは高解像度の映像をリアルタイムで送信するため、ネットワークへの負荷が高くなります。カメラ本体の設定値を調整することで使用帯域を抑えることが可能です。ネットワーク帯域が不足すると、映像が遅延したり途切れたりすることがあります。安定したネットワーク環境を整備し、必要に応じて専用のネットワーク回線を用意することで、スムーズなモニタリングを実現できます。

4.6 設置場所の制限

360度全方位カメラの設置場所は、カメラの特性を最大限に活かせるように選定する必要があります。例えば、天井や壁の中央に設置することで、広域をムラなくカバーできますが、天井(壁面)周辺の梁(はり)や桁(けた)、凹凸や勾配により設置が難しい場合もあります。また、防水・防塵機能を備えたカメラであっても、過酷な環境下では性能が低下することがあります。設置場所の特性を理解し、適切な場所を選ぶことが求められます。

4.7 メンテナンスと耐久性

360度全方位カメラのメンテナンスは、通常のカメラと比較してやや複雑になる場合があります。特に屋外に設置する場合、防水防塵機能を維持するために定期的な点検が必要です。また、広い視野角を持つことから、カメラのレンズ部分が汚れると映像の品質が低下するため、定期的な清掃も重要です。耐久性の高いモデルを選び、適切なメンテナンスを行うことで、長期間にわたって安定した性能を維持できます。

4.8 セキュリティ面の考慮

ネットワークカメラとしての360度全方位カメラは、その本体へアクセスすることで広い範囲を確認することができるため、セキュリティ対策が重要です。例えば、VMS(監視カメラ管理システム)などでカメラの操作権限を適切に管理し、ユーザーごとにアクセス制限を設定することも推奨されます。特に、ネットワーク経由での監視が主流となる現代においては、セキュリティ対策を怠ることなく、万全の体制を整えることが重要です。

360度全方位カメラ・パノラマカメラは、その多くの特長により、監視や防犯に非常に有効なツールです。しかし、導入には価格帯やデータ容量、設置場所、メンテナンス、セキュリティなど、いくつかの注意点があります。これらを十分に理解し、適切な対策を講じることで、360度全方位カメラの効果を最大限に引き出すことができます。

 

参考:防犯カメラとデータ分析の組み合わせによる業務改善のポイント

参考:工場施設・保管倉庫・資材置き場における盗難対策のポイント:防犯カメラを活用した資産管理

参考:効率的な多店舗監視の実現:VMSによる統合管理の重要性

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5: 360度カメラ・全方位カメラ vs PTZカメラ

監視カメラの選定において、360度全方位カメラとPTZカメラは代表的な選択肢です。それぞれの特長と利用シーンを理解し、最適なカメラを選ぶためには、撮影範囲、導入コスト、監視の効率、映像品質、データ管理などのポイントを比較する必要があります。以下では、これらの観点から360度全方位カメラとPTZカメラの違いについて詳しく解説します。

5.1 撮影範囲と視野

撮影範囲と視野
全方位カメラ 全方位を撮影でき、上下左右全ての方向を余すところなくカバーします。
魚眼レンズや広角レンズを使用し、1台で広大なエリアを監視できるため、
死角を最小限に抑えられます。
PTZカメラ 一定の角度内での撮影が可能ですが、パン(水平回転)、チルト(垂直回転)、
ズームの機能を活用することで、特定の箇所をピンポイントで監視できます。
PTZカメラは特定の被写体を追跡するのに適しており、動きのあるシーンで活躍します。

5.2 導入コストと維持費

導入コストと維持費
全方位カメラ 1台で広範囲をカバーできるため、複数台設置する必要がなく、コストカットにつながります。
設置や配線もシンプルで、メンテナンスも容易です。
PTZカメラ 高性能な機能を備えているため、導入コストが高くなる傾向があります。
複雑な機構を持つため、故障のリスクやメンテナンスコストも考慮する必要があります。

5.3 監視の効率と柔軟性

監視の効率と柔軟性
全方位カメラ 広域をムラなく監視できるため、効率的な監視が可能です。
魚眼モードやパノラマモード、4分割モードなど、用途に応じた最適な監視が可能です。
高解像度の映像はデータ容量が大きくなるため、ネットワーク負荷や保存容量に注意が必要です。
PTZカメラ 高倍率のズーム機能を備えており、特定の被写体を鮮明に捉えることができます。
録画映像の確認やデータ管理も容易で、効率的な監視が可能です。

5.5 適した利用シーン

適した利用シーン
全方位カメラ 広域の監視が求められるエリア複数台のカメラを設置しづらい場所に適しています。
駐車場や各種施設、通路や待合スペースなどでの利用が効果的です。
PTZカメラ 動きのある被写体を追跡するシーン特定のエリアを集中的に監視する場合に適しています。
銀行の窓口周辺やイベント会場、重要な出入口などでの利用が効果的です。

 

参考:PTZカメラの特長と注意点、設置活用例を紹介

参考:VMS(監視カメラ録画システム)の導入事例

参考:VMS(監視カメラ録画システム)の主な機能・仕様

参考:クラウド録画サービス

まとめ

360度全方位カメラとパノラマカメラは、全方位をカバーする監視が可能な画期的なデバイスです。魚眼レンズを搭載し、通常のカメラでは見落としがちな死角を最小限に抑えることが可能です。また、高解像度のライブ映像や録画映像を提供し、魚眼モード、パノラマモードなどの表示モードの切り替えも可能なため、広大なエリアの監視が効率的に行えます。

死角をなくすためにカメラを複数台設置する必要がある場合でも、360度全方位カメラ1台で複数台分のカメラの役割を果たすため、コストカットにもつながります。しかし、カメラ本体の価格帯や高解像度映像のデータ容量、視覚の歪み、ネットワーク負荷などに注意が必要です。

さまざまな業界で活用される360度全方位カメラとPTZカメラですが、それぞれにメリットとデメリットがあり、導入コストや維持費、監視の効率、映像品質、データ管理などの観点から、用途に応じた最適なカメラを選ぶことが重要です。

本記事が防犯カメラを導入される予定の企業の方、あるいはすでに導入されている企業内のセキュリティ向上、業務効率化・DXの推進の参考となりましたら幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

当社について

当社(株式会社アロバ)は、防犯カメラ・監視カメラの統合管理ソフトのメーカーです。小規模から大規模まで柔軟なシステムの構築が可能です。
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