介護施設・福祉施設の安全対策:防犯カメラ導入ガイド

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目次

はじめに

1: 「介護施設・福祉施設で防犯カメラが求められる理由とは?」

1.1 施設内での事故・トラブルのリスク
1.2 利用者・家族・スタッフの安心感向上

2: 「防犯カメラの主な設置場所と効果」

2.1 入口・受付エリア(不審者対策)
2.2 共有スペース(利用者の見守り)
2.3 廊下・居室(事故発生時の記録)

3: 「設置時の注意点とプライバシー配慮」

3.1 プライバシー保護のポイント
3.2 映像の管理・閲覧権限の設定

4: 「防犯カメラ活用例」

4.1 転倒事故のリスク低減と迅速な対応
4.2 施設内外でのひとり歩き・無断外出の防止
4.3 利用者同士のトラブル防止と適正な対応
4.4 スタッフの業務負担軽減と効率化

5: 「防犯カメラを活かすための運用ルールと実践ポイント」

5.1 施設利用者・家族・職員への事前説明と同意取得
5.2 プライバシーに配慮したカメラ設置と運用
5.3 映像データの厳格な管理とセキュリティ対策
5.4 環境変化に応じたシステムや運用の見直し

まとめ

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はじめに

介護施設・福祉施設において利用者の安全確保やスタッフの負担軽減を目的として、多くの施設で防犯カメラの導入が進んでいます。防犯カメラは、不審者の侵入を防ぐだけでなく、転倒事故の早期発見、利用者の見守り、トラブル時の記録など、多方面で活用されています。一方で、映像の管理やプライバシー保護の観点から、慎重な運用が求められるのも事実です。

本記事では、介護施設・福祉施設における防犯カメラの役割、設置場所のポイント、注意すべき点を紹介します。防犯カメラの導入を検討している施設関係者の皆様の参考となれば幸いです。


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1: 介護施設・福祉施設で防犯カメラが求められる理由とは?

介護施設・福祉施設では、利用者のさまざまな特性から、 日常生活の中でリスクが発生しやすい 環境にあります。ここでは、施設で防犯カメラが求められる主な理由を解説します。

1.1 施設内での事故・トラブルのリスク

介護・福祉施設では、利用者の転倒・転落・誤嚥などの事故が発生することがあります。スタッフが目を離した一瞬の間に、予期せぬトラブルが起こるケースも少なくありません。

防犯カメラを設置することで、 転倒事故の瞬間を記録し対応の迅速化が可能です。また、スタッフの配置が行き届かないエリアの安全管理を強化したり、事故後の状況を正確に把握し再発防止策の検討にも活用が可能です。

また、介護施設では利用者同士のトラブルハラスメントなど、日常的な人間関係の課題も少なくありません。映像記録があることで、トラブル発生時の客観的な証拠として活用したり、誤解やクレームを防ぎ適切な対応が可能になるといった透明性の向上にもつながります。

1.2 利用者・家族・スタッフの安心感向上

防犯カメラの設置は、 利用者本人だけでなく、そのご家族やスタッフにも安心感を提供します。

    利用者の安心感

    サポートが必要な方にとって、スタッフの目が届かない時間帯や場所での安全確保は非常に重要です。防犯カメラの設置により、夜間の巡回を補助し利用者の安心感を向上させたり、利用者が不安を感じる場所(廊下・トイレ付近など)の監視強化が可能です。

    ご家族の信頼感向上

    遠方に住む家族にとって、施設の安全管理が徹底されているかどうかは大きな関心事です。防犯カメラが導入されていることにより、施設の安全管理体制が可視化され信頼感が高まり、何かトラブルが発生した際に適切な対応がなされていることを確認できるといったメリットが生まれます。

    スタッフの負担軽減

    介護現場では、スタッフの負担が大きくなりがちです。防犯カメラを活用することで、限られた人数のスタッフでも効率的に施設全体を見守ることができ、不測の事態が発生した際には映像をもとに適切な対応を取りやすいといった業務負担の軽減にも寄与します。

参考:保育園・幼稚園に防犯カメラを設置するメリットと注意点

参考:学習塾・進学塾・予備校の防犯カメラ導入ガイド:メリット・活用法・設置例と注意点

参考:法人向け監視カメラ導入メリット

防犯カメラの録画システム/クラウド録画のご相談はこちら

株式会社アロバ TEL:03-6304-5817 (9:30-18:00,土日祝休み)


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2: 防犯カメラの主な設置場所と効果

防犯カメラの効果を最大限に発揮するためには、適切な設置場所を選定することが重要です。ここでは、主要な設置場所とその効果を解説します。

2.1 入口・受付エリア(不審者対策)

施設の出入口は最も防犯対策が求められるポイントです。不審者の侵入を防ぐ、来訪者の記録を残しセキュリティを強化する、利用者の無断外出を防止するといった役割を果たします。また、スタッフが常駐しない夜間の安全管理にも有効です。

2.2 共有スペース(利用者の見守り)

食堂・談話室・リビングなどの共有スペースは、利用者が長時間過ごす場所です。ここにカメラを設置することで、体調の急変や異変の早期発見や、利用者同士のトラブル発生時の対応、スタッフの目が届きづらい場所でも安全管理などのメリットがあります。特に、転倒リスクの高い高齢者が多い施設では、事故の瞬間を記録し、迅速な対応につなげることができるため、重要な監視ポイントのひとつです。

2.3 廊下・居室(事故発生時の記録)

廊下や居室付近では、移動時の転倒や無断外出のリスクがあります。深夜のひとり歩きによる事故の防止、職員が巡回しづらい時間帯の安全確保、転倒事故発生時の正確な状況把握といった効果が期待できます。

ただし、居室内にカメラを設置する場合はプライバシーへの配慮が必要です。個室ではなく、廊下や出入り口付近の監視を強化するなど、安全性を高めつつプライバシーを守る工夫が求められます。

参考:企業における防犯以外の防犯カメラの活用例(オフィス前編:出入口、オフィス内、労務管理、会議室

参考:企業における防犯以外の防犯カメラの活用例(オフィス後編:待合スペース、休憩エリア、駐車場、備品在庫)

参考:カスタマーハラスメント対策における監視カメラ・防犯カメラの活用例


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3: 設置時の注意点とプライバシー配慮

介護施設・福祉施設における防犯カメラの設置は、安全性の向上とトラブル防止に大きく貢献します。しかし、利用者やスタッフのプライバシー保護を十分に考慮しなければ、信頼を損ねたり、法的リスクが発生したりする可能性があります。ここでは、適切な運用方法とプライバシーへの配慮について解説します。

3.1 プライバシー保護のポイント

防犯カメラの導入にあたっては、プライバシーへの配慮が求められます。特に、映像データは個人の行動履歴や身体的特徴を記録する繊細な情報であるため、適切な管理が求められます。

    利用者・家族・スタッフに対する事前説明と同意

    カメラの設置前に、利用者やその家族、施設職員に対して防犯カメラの目的、設置場所、管理方法について事前に説明し、理解してもらうことが重要です。その際、施設内に「防犯カメラ作動中」と明示するなど、監視の意図を明確にすることで、不要な誤解や不安を防ぐことができます。

    プライバシーに配慮した設置場所の選定

    カメラの設置場所についても慎重に検討する必要があります。プライバシーを侵害する恐れのある個室、浴室、トイレ内への設置は避け、見守りが必要な共用スペースや廊下、出入口などに限定することが重要です。また、音声録音機能付きのカメラを使用する場合は、会話の盗聴とならないよう、必要性を慎重に検討する必要があります。

    目的外利用の禁止

    防犯カメラの運用に関しては、撮影された映像が本来の目的を超えて利用されることのないよう、ルールの策定が推奨されます。例えば、録画データの利用目的を「防犯および利用者の安全確保」に限定し、他の用途には用いないなど、管理体制を整備することが求められます。

    録画データの適切な保存と削除

    録画データの保存期間についても、適切なルールを設け、一定期間経過後には自動削除する仕組みを導入することが望ましいでしょう。必要な場合のみ、関係者の許可を得た上で閲覧や外部提供ができるようにし、管理の透明性を確保することが重要です。

3.2 映像の管理・閲覧権限の設定

防犯カメラの映像データは外部に漏洩すると重大なトラブルを引き起こす可能性があります。そのため、 厳格な管理体制のもとで適切に運用 することが求められます。

    録画データの暗号化と外部アクセスの制限

    録画データの保管にあたっては、データを暗号化し、不正アクセスを防ぐためのセキュリティ対策を講じる必要があります。特に、クラウド録画を利用する場合は、外部からの不正アクセスを防止するための対策を施すことが重要です。また、トラブル発生時の対応フローを明確にしておくことも推奨されます(例:映像の開示範囲、関係者への通知ルールなど)。

    閲覧権限とログ管理

    映像の閲覧権限を明確に定めることで、不要な情報の拡散を防ぐことができます。録画データの閲覧は、施設の管理者や責任者など、必要最小限の関係者に限定し、一般の職員が自由に閲覧できないように制限を設けることが望まれます。加えて、閲覧履歴を記録し、「誰が・いつ・どの映像を閲覧したのか」を管理できるシステムを導入することで、不正な利用を抑止することができます。

参考:法人企業における防犯カメラの導入ガイド:セキュリティとプライバシーの両立

参考:保育園・幼稚園に防犯カメラを設置するメリットと注意点

参考:学習塾・進学塾・予備校の防犯カメラ導入ガイド:メリット・活用法・設置例と注意点

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4: 防犯カメラ活用例

実際に防犯カメラを導入した施設では、事故の防止や安全性の向上に役立てられています。ここでは、具体的な状況ごとにどのように活用できるのか、使用例とアイデアを紹介します。

4.1 転倒事故のリスク低減と迅速な対応

介護施設・福祉施設では、転倒事故が大きな課題の一つです。特に、夜間やスタッフの目が届きづらい場所での事故は、発見が遅れることで重症化するリスクが高まります。
防犯カメラを設置することで、次のような活用が可能になります。

リアルタイム監視:スタッフステーションや管理室で映像を確認し、異変があればすぐに駆けつける。
動体検知機能の活用:転倒を検知した場合にアラートを出し、迅速な対応につなげる。
事故原因の分析:録画映像をもとに、転倒の原因を特定し、事故防止策を講じる(例:手すりの増設や床材の変更)。

4.2 施設内外でのひとり歩き・無断外出の防止

サポートが必要な利用者が施設外へ出ようとするケースは、重大な事故につながる可能性があります。施設の出入口やエレベーター付近にカメラを設置することで、以下のように無断外出の未然防止策として活用が可能です。

出入口監視とアラート通知:一定時間以上ドアの前に滞在する人物を検知し、職員へ通知するシステムを導入する。
動線の分析と環境調整:録画映像をもとに、無断外出が多い時間帯や場所を特定し、対策を強化する。

4.3 利用者同士のトラブル防止と適正な対応

施設内の共有スペースでは、利用者同士の口論や衝突などが発生することがあります。スタッフがその場にいない場合、どのような状況でトラブルが起きたのかを把握するのが難しいケースもあります。
防犯カメラを活用することで、次のようなメリットが得られます。

トラブルの早期発見:職員が映像を確認することで、利用者同士の衝突を未然に防ぐ。
事実関係の確認:万が一トラブルが発生した場合、録画映像をもとに状況を客観的に把握し、公平な判断を行う。
環境改善のヒントとして活用:映像を分析し、トラブルの多いエリアや時間帯を特定し、席の配置やスタッフの巡回ルートを見直す。

4.4 スタッフの業務負担軽減と効率化

防犯カメラは、利用者の安全を確保するだけでなく、スタッフの業務負担を軽減するためにも役立ちます。

夜間巡回の補助:すべての居室を巡回するのではなく、映像を確認しながら必要な対応を行うことで、スタッフの負担を軽減する。
スタッフの適切な配置:映像データを分析し、スタッフが配置すべきエリアを効率的に決定する。
研修・教育への活用:防犯カメラの映像をもとに、適切な対応方法を学ぶ研修資料として活用する。

参考:防犯カメラと録画システムの選び方:選定のポイントと検討

参考:360度カメラ・全方位カメラ・パノラマカメラの特長と活用法、設置のポイント

参考:PTZカメラの特長と注意点、設置活用例を紹介

5: 防犯カメラを活かすための運用ルールと実践ポイント

防犯カメラを効果的に活用するためには、適切な運用ルールを設け、プライバシーに配慮した管理体制を整えることが重要です。防犯カメラを活かすための運用ルールと実践ポイントをまとめました。

5.1 施設利用者・家族・職員への事前説明と同意取得

防犯カメラの導入にあたっては、施設利用者やその家族、職員に対し、以下の点を明確に説明し同意を得ることが重要です。

設置の目的(防犯・安全確保のためであり、監視のためではないことを伝える)
カメラの設置場所と録画データの取り扱い方法
閲覧権限の範囲(誰が映像を確認できるのか)

また、施設内に「防犯カメラ作動中」の掲示を行うことで、利用者や訪問者に対して透明性を確保することも大切です。

5.2 プライバシーに配慮したカメラ設置と運用

プライバシーを尊重しながらカメラを活用するために、以下の点に注意が必要です。

設置場所の選定:個室、浴室、トイレなどプライバシーを侵害する場所には設置しない。
音声録音の制限:会話の盗聴にならないよう、音声録音機能は必要な場合に限定する。
録画データの適切な管理:録画データの長期保存を避け、一定期間経過後に自動削除する仕組みを導入する。

5.3 映像データの厳格な管理とセキュリティ対策

防犯カメラの映像データは、外部に漏洩すると重大なトラブルにつながる可能性があります。以下の対策が推奨されます。

暗号化とアクセス制限:録画データは暗号化し、閲覧権限を管理者や特定の職員に限定する。
アクセスログの記録:誰が・いつ・どの映像を閲覧したかを記録し、不正な利用を防ぐ。
定期的な監査の実施:運用ルールが適切に守られているか、第三者による監査を行い、必要な改善を加える。

5.4 環境変化に応じたシステムや運用の見直し

防犯カメラを効果的に活用するためには、設置後も継続的にシステムや運用を見直すことが重要です。施設の状況は時間とともに変化し、それに伴い新たな課題が生じることがあります。

たとえば、利用者の増加や施設の建て替えやレイアウト変更により、従来のカメラ配置ではカバーしきれない死角が発生する可能性があります。また、スタッフの勤務体制が変わることで、夜間の見守りや映像確認のルールを調整する必要が出てくるかもしれません。

定期的な見直しの実施も重要なポイントです。数年ごとにカメラの設置状況や運用ルールを再評価し、適切な設定の見直しを行うことで、管理負担を軽減しながらセキュリティを強化できます。また、クラウド型の録画サービスを活用することで、映像の管理がより効率的になり、複数の拠点からのアクセスも容易になります。

参考:防犯カメラと録画システムの選び方:選定のポイントと検討

参考:マルチベンダ対応の監視カメラシステムが選ばれる理由:導入の利点と最適化のポイント

参考:法人企業における防犯カメラの導入ガイド:セキュリティとプライバシーの両立



まとめ

防犯カメラの導入は、介護施設や福祉施設において、安全対策の強化と利用者の見守り体制の充実を実現する重要な手段の一つです。適切な活用方法を考え、プライバシーに配慮しながら運用することが求められます。

防犯カメラを活用することで、転倒事故の早期発見、ひとり歩き・無断外出の防止、利用者同士のトラブルの適切な対応、そしてスタッフの業務負担の軽減が可能になります。また、環境に適した運用ルールを設け、定期的に見直しを行うことで、安心・安全な施設環境を整えることができます。

本記事が、企業の皆様の監視カメラシステム導入や運用における一助となれば幸いです。具体的なシステム選定や設計、さらには導入後の運用に関するご質問がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございます。

当社について

当社(株式会社アロバ)は、防犯カメラ・監視カメラの統合管理ソフトのメーカーです。小規模から大規模まで柔軟なシステムの構築が可能です。
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国内導入実績NO.1のノウハウを活かして、安心で便利で、快適なサービスやシステムをトータルで提供する、新しい社会システムづくりに取り組んでいます。
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