学生にとって利用しやすく、効率的な運用を図るため、
カメラシステムは利用状況を分析するツールとして役立つ。

上智大学 総合メディアセンター
センター長 大槻教授

将来的に、カメラシステムの拡張は必須。
ネットワークカメラの方がトータルコストを抑えられることは明白だった。

上智大学の創立は1913(大正2)年、2013年には、創立100周年を迎える。日本最初のカトリック系大学であり、その歴史は古い。
総合メディアセンターは、コンピュータを利用した研究や教育を支援する全学共同利用施設の運用・管理を行なっている。情報通信技術を利用した語学教育を支援するためのCALLシステム、テレビ番組の制作実習のためのスタジオ設備を提供するテレビセンターなど、古い伝統を持つ一方、最新のテクノロジーを利用したシステムを積極的に取り入れている。コンピュータルーム等の各センター施設内のセキュリティは、当初アナログシステムが導入されていたが、2003年、システムの大幅更新をきっかけに、ネットワークカメラへのリプレイスに踏み切った。そして去年、約70台のカメラシステムの録画管理用ソフトウェアとして、ルクレの「ArobaView for Windows (アロバビュー フォー ウインドウズ、以下アロバビュー)」を採用。アナログシステムからネットワークシステムへ、そしてさらなるシステムの拡張へ。その背景や、現在の運用について、総合メディアセンター長の大槻教授と、総合メディアセンター主幹でカメラシステムを統括している藤原氏に詳しい話を伺った。

カメラシステムについて

メディアセンターのカメラシステムについて教えて下さい

大槻教授
カメラを設置しているのは、パソコンなど高価な電子機器を多数の人が利用できる、コンピュータルームとCALL教室などです。3Fと地下2F、それと、中央図書館の中にもあります。部屋数だけでも15以上あり、全体で70台ほどのカメラを設置しています。

ネットワークカメラを先駆的に導入

当初はアナログシステムを採用されていたと伺いました。ネットワーク化へ踏み切った理由を教えてください。

大槻教授
2003年のメディアセンターの設備更新の際に、コンピュータルームを増設するに当たって、カメラも増設することにしました。そのままアナログシステムを拡張してもよかったのですが、いずれにしろ、ネットワーク工事はやらなければなりませんでしたから、当然インフラ整備も進みます。そういう意味では環境は整っていたので、ネットワークカメラへのリプレイスは自然な選択だったと思います。

当時としてはかなり先駆的な導入だったのでは?

大槻教授
そうかもしれません。当時、ネットワークカメラシステムはそんなに普及していませんでしたしね。ですが、メディアセンターは、新しいシステムを積極的に取り入れていくことに対してはとてもポジティブな姿勢を持っています。また提案して頂いたシャープシステムプロダクト株式会社と住友電設株式会社は、カメラシステムの知識も豊富で、サポート面での不安もありませんでした。

将来の増設と工事費の削減

コスト面は問題にならなかったのでしょうか?

大槻教授
メディアセンターで運用管理しているパソコンは、年々利用者も増えており、コンピュータルームの増設は必須でした。またCALL教室は、上智大学が特に力を入れている語学教育のための重要な設備です。その先も、新規に増設することは十分に考えられました。
コンピュータールームやCALL教室が増設されれば、当然、各部屋に新たにカメラを設置することになります。ですからカメラシステムは、将来の拡張を視野に入れて整備する必要がありました。そこでカメラを新規で設置する場合の工事費用と、録画装置の設置費用を算出してみました。アナログカメラを設置する場合には、カメラごとに固有の同軸ケーブルを引く必要があり、大規模な配線工事が必要になります。またアナログの場合、録画装置も接続台数に限界があり、設置カメラ台数を増やす場合には新たに購入し、録画装置の設置場所も確保しなければなりません。増設のたびに、大掛かりな敷設工事をする費用を考えた場合、ネットワークカメラの方がトータルコストを抑えられるのは明白でした。

既存システムからアロバビューへ

リプレイス直後は別のソフトウェアを採用されていたそうですね。

大槻教授
はい。将来の増設を考えたときに、選択の幅を広げたいと考え、マルチカメラベンダ対応のソフトウェアを探していました。しかし、その当時は、アロバビューは販売開始前でした。去年さらにCALL教室を増やすことになり、これに伴い、カメラも増設することにしましたが、ライセンスが足りなくなってしまったんです。アロバビューはサーバーPCにソフトウェアをインストールし、1台で64台まで録画、管理可能で、カメラ台数が増えた場合には、複数のサーバーを統合管理することができるので、まずライセンスの問題はクリアできることがわかりました。

CALL教室に設置されたAXIS 211。

4分割のカスタムビューをローテーションで切替表示。ほとんどの操作がマウス操作だけで、直感的に行える。

CALL教室。4方にカメラが設置されている。効率的な運用を図るため、利用状況を分析

増設しやすく、使いやすい

アロバビューを採用頂いた決め手は何だったのでしょうか?

大槻教授
ソフトウェアの選定にあたり、私たちが最も重視したのは、以下の2点です。

  • 既設カメラを流用でき、増設が簡単であること
  • これまで以上に使い勝手がいいこと

アロバビューは既設のカメラはすべてサポートしており、かつ新規に設置するカメラにも対応していました。また、当然のことですが、カメラを増設するたびにシステムごと取り換えるわけにいきません。アロバビューは1サーバーで、64台まで接続可能です。今のところはサーバーを2台にわけていて、全部で128台分のライセンスがあり、さらにカメラを増設する場合も、十分な余裕があります。また、それ以上に、重要だったのは、使い勝手の良さでした。私たちは、業務上一日に何回もクライアントPCを操作します。 アロバビューは工夫されたインターフェースで、導入当初から違和感なく操作することができました。

ローテーションで切替表示

カメラシステムをどのように利用されていますか?

大槻教授
主に、利用状況を確認するのに使っています。さきほどもお話したように、コンピュータルームとCALL教室は3Fと地下2階と、中央図書館にあり、点在しています。私たちは、午前中だけでも2~3回、午後は利用者も多いので、4~5回は各部屋の利用状況を確認します。職員が直接見回りをするには移動距離があり、非効率なので、定期的にクライアントPCから確認しています。カメラは1部屋に4台ずつ設置しており、部屋ごとに1画面で確認できるよう、4分割のカスタムビューを登録しています。普段はローテーションで順々に表示が切り替わる設定にしており、職員が確認するときは、見たい部屋を手動で切り換えています。カメラを意識することなく、プルダウンメニューから、教室名を選択するだけで切り替わるので、とても使いやすいと感じています。 そのほか、実際に見に行かなければわからない部分もありますが、 AV設備(主にプロジェクタ)等のトラブルが発生していないかということがカメラ映像を通してある程度確認できるので、必要以上に見回る必要がありません。それだけでもかなり負担が減っています。

運用の効率化と学生サービスの向上

導入後の現在の感想をお聞かせください。

藤原氏
もともとは、高価な機器を置いているので防犯のためにカメラを設置しました。不特定多数の人が出入りするので、置き引き防止などの抑止効果も考えていました。今ではどちらかというと、どの部屋の利用者が多いか、利用率の高い時間帯はいつかなどを分析し、運用の効率化を図るツールとして使っていますね。 例えば、夏期休暇中など、学生の少ない時期は、どの部屋を何時まで開放しておけばいいかなど、結構悩みます。利用者がほとんどいないのに、ただ部屋を開けておくのは無駄ですし、かと言って、すべて閉鎖してしまうと困る学生もいます。やはり、学生のための設備ですから、なるべく学生にとって利用しやすいように、そして効率的に運営したいと考えていますので、その判断に役立っています。就職活動などに利用する学生も年々増えてきているので、今後の増設計画の参考にもしています。

直感的な操作感

上智大学
総合メディアセンター
主幹 藤原 一博氏

最後に、アロバビューの導入から1年ほど経過しましたが、どのように評価されていますか?

藤原氏
アロバビューは操作画面がシンプルで、ほとんどの操作をマウス操作だけで直感的に行うことができ、迷うことがありません。私たちがネットワークカメラシステムを導入した頃に比べれば、様々な製品が増えていますが、アロバビューのGUIは、非常によく考えられていると思います。また、 アロバビューはクライアントPCのライセンス費用が発生しないので、その点も魅力です。今は、クライアントPCは2台で運用していますが、今後運用によっては台数を増やす可能性もありますから。導入時に重視した、将来の増設と使いやすさを、アロバビューは合わせ持っていると思います。

(2008年8月作成)

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アロバビューには大規模なプラント施設をはじめ国の重要施設や商業施設、多拠点のオフィスや店舗の統合管理など多様な業種・業態で利用するために不可欠な安定性や信頼性の全てがそろっています。

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