ネットワンシステムズ株式会社 人事総務グループ
総務部 企画チーム 課長 内田 雅裕氏
ネットワンシステムズと言えば、「ネットワークインテグレーター」という言葉を生み出した大手企業である。近年では、ITプラットフォーム構築のビジネスにも注力し、「クラウドコンピューティング」を提唱する有力企業の1社としても存在感を増している。そんな同社が、自社のファシリティに利用していたアナログカメラをネットワークカメラにリプレイスし、その管理/録画ソリューションとしてルクレの「ArobaView
for Windows(アロバビュー フォー ウインドウズ、以下アロバビュー)」を次々に導入している。
この取り組みは、日本中で稼働しているカメラシステムのほとんどがアナログカメラシステムであることを考えると、IT系大企業の同社であっても当たり前の話ではない。同社は、外部のデータセンター等への新規導入を含め、計4拠点にネットワークカメラとアロバビューを矢継ぎ早に導入。今後はセキュリティシステムの一元管理を目指すという。「拠点ごとに録画ができていればOK」から、将来を見据えた設計へ。導入プロジェクトのマネージメントを行い、このストーリーを実現させたネットワンシステムズ株式会社の内田氏に詳しく話を伺った。
御社のカメラシステムの利用目的を教えて下さい
内田氏
主に防犯を目的にカメラシステムを活用しています。本社では9フロアすべてに監視カメラを設置。常に人の出入りがチェックできるようになっており、各部門からの検索依頼に応えているという状況です。
以前はアナログカメラで満足だったと伺いました。
内田氏
今まで設置していたカメラは全てアナログでした。ライブ映像も録画画像も閲覧する頻度が低く、「録画がされていれば良い」という判断基準だったことは確かです。ネットワークカメラの存在は知っていたものの、総務の立場としては当然コストも考えますし、アナログカメラシステムで充分。そう信じて疑いはありませんでした。
ネットワークカメラシステム導入を検討したきっかけは、2007年、ある拠点でのカメラシステム保守契約更新でした。
当初はそのまま更新をして使い続ける予定でしたが、メーカーの回答は、「これ以上の保守延長は出来ない」。とすると、システムを新規で入れるしかない。また、時同じくして、新拠点や情報サーバを預けているデータセンターへ、新規カメラ導入を求められました。
保守更新をする事ができず、更に導入する拠点が増えるという事は、コストがそれなりにかかります。プラスして、「他拠点のカメラ映像も閲覧したい」というニーズも上がり、全社的にネットワークカメラシステムを再検討する必要性があると感じ始めました。
導入前からネットワークカメラシステムについての知識はお持ちでしたか?
内田氏
私の職域上、実はほとんど知識はありませんでした。正直、ネットワークカメラシステムを検討したい、といっても誰に何を相談すればいいのかすらイメージが湧きませんでした。社内で「カメラ関係で悩んでいる」と言っていたら、ネットワークカメラソリューションをお客様企業に提案する専門チームが話を聞いて相談に乗ってくれ、ネットワークカメラのメリットを教えてくれました。彼らは、実際に導入に至るまでの間、知識のない私にとって心強い存在でした。弊社には、たまたま専門チームがあってよかったですが、一般的には私同様、どこに相談すればいいのか分からないのではないでしょうか。
社内に専門チームがあるにも関わらず、外部のカメラベンダーにも相談されたと伺いました。
内田氏
アナログカメラシステムの業者と、社内のカメラ専門チーム双方に提案をお願いし、比較検討することにしました。普通に考えれば、社内に部門がある時点でそちらを選ぶのかもしれません。しかし、総務の役割として、本音はコストを出来る限り抑えたかった。ネットワークカメラシステムは漠然と「高い」という印象がありましたし、費用を抑えられるにこしたことはありません。ですから、社内のカメラ専門チームにも、価格を含め、普段お客様に提出しているのと同じレベルでの提案を求めました。
フロア天井に配置されたAXIS212PTZ。魚眼タイプで超広角に画像を捉える。
画像の検索作業も実質容易になり、「社内サービスの向上」に役立っている。
本社天井に埋め込まれたPanasonic BB-HCM581。アロバビューなら異なるメーカー/機種も混在可能。
アロバビュー+ネットワークカメラに決定したポイントをお聞かせ下さい。
内田氏
双方から資料を頂いた後、非常に悩みました。検討期間は1ヶ月弱、要したかもしれません。
最終的にネットワークカメラシステムに決めたのは、多拠点展開、コスト削減、社内サービスの向上の3つを叶えられたからです。
意外だったのは、コスト面です。これまでアナログカメラシステムのほうがリーズナブルだと思っていましたが、導入、運用、保守すべてにおいてネットワークカメラシステムの方が安かった。これは、社内部門による導入のメリットというよりも、単純にアナログシステムが高い事が分かったという意味です。
弊社の場合、カメラシステムは当初からビル側で提供する物を利用していました。保守を含めシステムを変更する必要に迫られた為、初めて他の選択肢に目を向けました。コストも削減できる結果となった為、これは気がついてよかった。また、
アロバビューを利用することにより、設置拠点やカメラ台数の増加にもフレキシブルに対応できる拡張性があることが分かりました。マルチカメラベンダ対応の為、メーカーや機種を自由に選べ、将来は拠点間の統合管理もできる。実際、導入したカメラはAxis社製とPanasonic社製と異なるメーカー、機種ですが、混在環境で利用しています。
「社内サービスの向上」を具体的にお聞かせ下さい。
内田氏
カメラに関してのお話になりますが、社内から上がってくる調査依頼に対し、「素早く、的確に応える」。これが社内サービスの向上であり、実現したかったことです。
アナログシステム時代、調査依頼があって過去の画像を検索する作業は大変なものでした。
例えば社内から「〇時~〇時の間に誰がフロアに入ったか調べてほしい」という依頼がきたとします。ターゲットを探すためには、ひたすら録画テープとの格闘で、早送り、巻き戻しの繰り返しです。録画装置に設定されている時間が現実の時間と乖離している場合などは特に大変で、おそらく1件の調査完了までに2~3時間はかかっていたと思います。また、画像を録画装置以外の場所に保存し、取り出す機能もありませんでした。検索結果は画像として依頼主に渡すのですが、その画像は、アナログのディスプレイに表示される画像をわざわざデジタルカメラで撮影した物でした。
元々の画像が粗い上に、更に画質の劣化を伴う処理を行わざるを得ず、人物の識別ができない場合もありました。
アロバビューにしてからは、2~3分で目的の画像を見つけられます。製品の特徴である「シャトルサーチコンセプト」は、ドア付近での入退出を「イベント」として管理し、その時間帯や数をカレンダーやグラフで示してくれます。その為、時間帯の指定やイベントの選択などが容易です。また、録画画像を外部に出力したり、スナップショットを撮る機能がある為、画像の提出も簡単に、録画された品質のまま提供できるようになりました。結果、社内サービスは向上しており、非常に満足しています。
実際の運用は、私以外の2名の社員が担当しているのですが、両者とも私が説明しなくとも操作手順を覚えていました。 アロバビューはそれくらい簡単なのです。
今後の導入計画についてお聞かせ下さい。
内田氏
現状、まだアナログカメラを利用している場所もありますが、今後は保守期限の更新を機にすべてネットワークカメラシステムへと変更していく予定です。今回のリプレイスにより、総務として社内の重要なファシリティの設置やサービス向上に繋がることを学べたのは大きな収穫でした。将来的には多拠点の統合管理も検討しながら、更なる拡張・新規導入に向け、ネットワークカメラシステムの標準仕様を策定したいと考えています。
(2008年10月作成)
アロバビューには大規模なプラント施設をはじめ国の重要施設や商業施設、多拠点のオフィスや店舗の統合管理など多様な業種・業態で利用するために不可欠な安定性や信頼性の全てがそろっています。