警備スタッフが口にした本音。
「アナログシステムは操作が難しかった。アロバビューはとても簡単」

株式会社IDCフロンティア 技術本部 施設部 部長 佐々木 聡氏

数百本の録画テープを管理するのは本当に大変。
テープの入替忘れや録画スイッチの押し忘れなど起こせません。

2007年8月、日本最大級のデータセンター専業会社である株式会社IDCフロンティアは、新宿データセンター(以下、DC)にネットワークカメラによる監視カメラシステムを導入した。システムのコアにはルクレのネットワークカメラ管理用ソフトウェア「ArobaView for Windows(アロバビュー フォー ウインドウズ、以下アロバビュー)を採用している。また、今後の新規導入は全てネットワークカメラを採用する事はもちろん、既存のアナログカメラも順次ネットワークカメラにリプレイスしていく事を計画している。全国8箇所のロケーション合計で300台以上のアナログカメラが稼働中の同社は、何故ネットワークカメラとアロバビューの導入に踏み切ったのか?
仕様検討から導入、運用開始までを担当した、株式会社IDCフロンティアの佐々木聡氏に伺った。

カメラシステムはセキュリティの柱

御社でのカメラシステムの重要度を教えて下さい

佐々木氏
データセンター事業は、お客様の大事なIT設備をお預かりするという特性上、安全な環境で運用・管理・保守などのサービスを提供する事が大切です。この「安全」を実現する為の付加価値サービスとして、信頼性の高いファシリティと高度なセキュリティ設備をご用意しています。 当社のお客様は、金融機関を始め機密性の高い情報をネット上で扱う企業が多い為、高いセキュリティレベルを求められます。監視カメラシステムは、セキュリティレベルを上げるひとつの柱だと考え、重要視しています。

アナログシステムの課題

ネットワークカメラ検討のきっかけを教えて下さい

佐々木氏
弊社では、全拠点合計で300台以上のアナログカメラが稼働中です。今回の新宿DCへのネットワークカメラの新規導入では、現状のカメラシステムの課題であったテープの入替作業の廃止、録画データの調査時間短縮、全社カメラシステムの統合管理を実現したいと考えました。
というのも既存のシステムでは、新宿DCだけでも所定の録画期間の画像を保存する為に膨大な数の録画テープを管理しなければならないからです。数百本の録画テープを管理するのは本当に大変。テープの入替忘れや録画スイッチの押し忘れなど起こせません。また、何か起こったとき、テープに保存してある画像を見つけるのに非常に時間がかかり、こういったことがネットワークカメラ検討のきっかけになりました。

LAN配線で工事費削減

コストはネックにならなかったのでしょうか?

佐々木氏
低コストで課題解決ができることを判断基準のひとつと考えていた為、検討初期からネットワークカメラシステムは有力候補でした。その理由は、アナログより工事費や録画装置のコストを削減できる事がわかっていたからです。導入経験のあるアナログカメラで監視カメラシステムを構築した場合を考えると、施設内の複数のフロアにカメラ台数と同じ本数、つまり数十本の同軸ケーブルを新規に敷設する必要があります。ビル内のケーブル収容スペースには限りがあり、もし増設するとしても、大掛かりな工事が必要になるため、アナログカメラは検討開始の早い段階で候補からはずれました。

ネットワークカメラ導入のメリット

工事費の大幅削減も可能だったわけですね?

佐々木氏
ネットワークカメラシステムにすれば、LANケーブルでの集線が可能な為、ケーブルの敷設がアナログカメラシステムで利用する同軸ケーブルと比べ大幅に削減できます。また導入したAxis社のネットワークカメラはPoE対応の為、LANケーブルだけで電源も供給でき、電源工事費も削減する事ができます。更に録画装置も、汎用のサーバーPCとソフトウェアを利用する事で64台までのカメラを1台の録画装置で録画、管理できる事がわかりました。一口にネットワークカメラシステムと言っても多数の製品がありましたので、充分に比較検討を行いました。

死角なく配置されるAxis社ネットワークカメラ。1フロア数十台も配置するにはシンプルな配線と高い集線効率が必要。

増床フロアのサーバーラック。通路入口にはドアを用意し、さらにその内部にもカメラを配置。

オペレーションセンターでは、50インチの大型ディスプレイでアロバビューのライブ画面を表示する。

5つの製品からの選択

アロバビュー採用の決め手を教えて下さい

佐々木氏
ネットワークカメラシステムの選定にあたって、ポイントとしたのは以下の項目です。

  • 様々なメーカーのネットワークカメラが統合できる
  • 監視・操作が容易で、調査時間が短縮できる
  • 拡張性に優れている
  • 将来にわたってサポートが期待できる

最終的に検討対象として残ったのは5製品で、操作性に関しては実際に製品DEMOを見せてもらい充分に吟味しました。アロバビューをコアとしたシステムは、私たちが要求する項目の全てに的確に応えてくれるとともに一番操作性に優れている点が、決定の後押しになりました。

ネットワンシステムズ社の技術力

導入はスムーズに進められましたか?

佐々木氏
決定の時期が予定より遅れた為、若干の不安はありましたが、短期間での導入とサービスインが実現できました。この点については、アロバビューをご提案頂き、導入頂いたネットワンシステムズ社の力によるところが大きかったと感じています。まず、アロバビューを稼動させるサーバーPCのサイジングについて最適な形でご提案頂きました。またネットワークカメラに関する造詣も深く、カメラのパラメータ設定やチューニングなどは弊社の要求に沿う状態に短期間で仕上げられ、その技術力と理解の深さには感嘆しました。

検索性・操作性が激的に向上

導入効果はいかがでしょうか?

佐々木氏
劇的に変化しました。使ってみて驚いていますが、目的の時間帯を3ステップで再生できる「シャトルサーチ」機能により検索時間が大幅に削減できています。テープ保存をしていた頃は、古いデータまで検索しなければならない事がわかると、時間を気にしながら調査しなければなりませんでした。現在はサーバー上の録画データにランダムにアクセスできる為、気軽に検索ができます。操作に関して、実際にカメラシステムのユーザーである警備スタッフが口にした本音ですが、“既存のアナログシステムは 操作が難しかった。アロバビューはとても簡単 ” と言っています。

アナログシステムでは、操作する機器のボタン数の多さやその表示・表記が実際に操作するスタッフにとってハードルとなっていました。アロバビューは画面構成がシンプルな為、 操作について特別なレクチャーを必要とせず直感的に利用できています。実際、カメラ映像の巡回表示設定などもスタッフ自身の手で行っています。導入からまもなく1年が経過しますが、機能面でもサポート面でも、非常に満足しています。

アロバビューへの期待

今後の導入計画についてお聞かせ下さい

佐々木氏
直近では、北九州で開業予定のデータセンターコンプレックス「アジアン・フロンティア」に導入する監視カメラシステムをアロバビューで構築する検討を進めています。また、段階的に既存DCでの新規導入、既存アナログシステムのリプレイス、そして全カメラシステムを統合していくことも計画しています。冒頭、カメラシステムはセキュリティの大きな柱だと申し上げましたが、将来的にはアクセスコントロールとの連携も視野に入れています。今後、アロバビューにはこういったソリューションとの連携も期待したいです。

(2008年8月作成)

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アロバビューには大規模なプラント施設をはじめ国の重要施設や商業施設、多拠点のオフィスや店舗の統合管理など多様な業種・業態で利用するために不可欠な安定性や信頼性の全てがそろっています。

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